恥ずかしいからブログで上司である俺から君へ伝える!

上司の小言や武勇伝なんて誰も聞いてくれないから、ブログで書いていきます。

小林くんへ その9 〜カラ元気も元気のうち。結果が雰囲気を作るんじゃない、雰囲気が結果を作るんだ〜

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小林くん

 

最近、元気がいいね。素晴らしいことだよ。挨拶に関しては本当に聞いていて気持ちがいい。みんな笑っていたりするけどね。あれは先輩たちとの罰ゲームだったのかな?

 

まぁ、いいや。それを言うと君は「カラ元気っすよ」って言ってたけど、カラ元気も元気のうち。暗く沈んだ声を出されるより、よっぽど良いよ。

 

昔、うちの会社にいた奴の言葉なんだけど

 

「結果が雰囲気を作るんじゃない、雰囲気が結果を作るんだ」

 

って言い切った奴がいてね、彼はその言葉通り、売上数字が全然達成していなかったのに、この言葉をずっと言い続けたんだ。

 

そしたらね、どういう事が起きたと思う?

 

本当に売上達成して、結果が出たんだ。

 

これはびっくりした。当時、私たちの会社は結構危なくてね。値上げしたり、お客様に対しても少し不誠実な対応が続いていたのは事実。社内にも嫌な空気が流れていたし、売上達成?無理だよ、そんなの、みたいな斜に構えた人間が多かったと思う。

 

それをね、彼は変えたんだ。この言葉で。正直、私や他の部署の人間も「雰囲気だけで変わるわけないよねー」って言ってた。誰も信じてなかったんだよ。そりゃそうだよね、本当ならば、きちんと営業戦略を練って、数字を積み上げて、その通りに行動を、みたいな事を言っていた時だよ。彼だけだよ、「まずは営業の顔を明るくさせないと!」って。

 

で、実際に彼がやったことは、まずは営業メンバーを呼んで、無理やりでもいいから「笑え」っていう命令を出したんだよ。これはびっくり。もはや宗教じゃん!って言ってた。これも彼的には同じ発想で、

 

「面白いから笑うんじゃない、笑うから面白いんだ」

 

と。ここまでくるとむちゃくちゃだなと思うけど、でも心理学的には正しいみたいね、後で知ったけど。

 

とにかく、彼のチームは笑うようにした。営業中でもできる限り大きな声で笑い、そして褒め合うことをしていった。私のほうはどちらかというと悲壮感漂っていたよ、当時は。そんな気分にとてもなれなかった。

 

でもね、2週間くらいかな、それくらいの時に彼のチームメンバーの一人が受注してきたんだよね。「やりましたー!」って。そんなに大きな金額の受注じゃなかったけど、それでも停滞していた社内にとっては嬉しいニュースだった。

 

そこで彼は徹底的にそのメンバーを褒め上げた。そして社長や役員の所まで連れて行って、「彼を褒めてあげてくれ」と事前に言っていたんだと思う。社長や役員も彼を褒めた。普段だったら「おめでとう」「お疲れさん」くらいしか言わない上役の人間が、「よくやったー!お前は最高だ!」とかなんだか軽くお祭り騒ぎをしていたんだよ。

 

ちょっと当時のことを思い出すと私も恥ずかしいけど、私は「はぁ?」って思ってたよ。そりゃそうだよね、うちのメンバーのこともちゃんと褒めろよ、って愚痴ってた気がする。でも彼はきちんとそういう下準備をやっていたんだ。社内の空気が悪くても、全然数字に足りない状況の中でも、1件のメンバーが取ってきた受注を大事にしたんだ。

 

ここからかな、彼のチームがみるみるうちに変わっていった。一番変わったのは、彼自身が何か戦略を作る、というのはやらなくて、チームメンバーが「自分たちで考えて、自分たちで面白企画を出してきて、自分たちで戦略を作って行ったんだ」。これには私は本当にびっくりした。

 

それからだよ、カラ元気しかなかった、と言っても、カラ元気を続けていれば、それはいつしか本当に元気になり、活性化していくんだって。なかなか信じられないかもしれない。でもね、結局彼のチームは3ヶ月後に本当に目標を達成してしまったんだ。その時、私のチームは惨敗。悔しかったね、本当に。遊び半分でやっているように見えたのよ、私には。でも、彼のチームメンバーは本当に1人1人が真剣に考えて、真剣に悩んで、真剣に動いていた。それがお客さんにも伝わったんだろうね。だから私もあえて彼の意見を受け入れるし、今だと本当に私も心の底からそう思える。

 

結果が雰囲気を作るんじゃない、雰囲気が結果を作るんだ

 

ってね。

 

結局、私も彼の真似をしたけど、彼ほどうまくはいかなかった。でもね、エッセンスは伝えることができるようになったかもしれない。

 

要はね、これは私の解釈だけど、彼がやったことは

 

チームで目標を達成しようとするのであれば、、、

チーム全員がまず目標をきちんと理解、共有することで、全員の意識が統一され、

チーム全員の意識が統一されることで、全員の行動が変わり、

チーム全員の行動が変われば、全員の結果が変わった。

 

ということだと思うんだ。ここで重要なのが、「意識の統一」と「行動」だと思う。この2つができたからこそ、結果がついてきたんだと思う。

 

これはできそうでできない。なぜって、私一人でやるわけじゃないからね。チーム全員でやることだから。

 

だから小林くんがカラ元気っすよ、っていうのもぜひ続けて欲しい。そして「カラ元気」の奴を増やして欲しい。そのカラ元気はいつか本当の元気に変わるだろうし、その元気が伝わって、他のメンバーが発奮するきっかけになるかもしれない。

 

そうやってチームっていうのはできあがっていくんだ。

 

だから、小林くん、君の「カラ元気」はとっても素晴らしいことなんだ。自信をもって「カラ元気」を出し続けていって欲しい。

 

今日もお疲れ様