恥ずかしいからブログで上司である俺から君へ伝える!

上司の小言や武勇伝なんて誰も聞いてくれないから、ブログで書いていきます。

小林くんへ その5  〜神は細部に宿る〜

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小林くん

 

普段の会議や他のみんなとも打ち解けてきて、非常に良い感じだね。私も嬉しいです。そして、小林くん自身も自信がついてきたんじゃないかな。

 

そんな小林くんに今日も小言を言ってしまったけど(他のみんなにもだけど)、改めて細かい部分を丁寧にやって欲しいと思っています。

 

今日、売上を管理するエクセルシートで入力間違いがあって、みんな1時間ほどエクセルシートで確認し合っていたよね。これ、本当はシステムを導入すればすぐに終わる話なんだけど、さすがにシステムを導入するとなればお金もかかるし、入力の手間も新しく入るから私としては今の段階では不要だと思っているんだ。

 

今はどちらかというとスピード重視で、みんなが理解できる範囲で入力できてお互いに確認しあえるエクセルのほうがパパッとできるからエクセルでやっている。

 

でも、今日も言ったけど「ミスが多すぎる」んだよね。1時間みんなでやって数字が揃った、別に誰がミスをしている、とかそういうことを言っているんじゃない。人間だからミスするのが当たり前だし、そもそも「ミスしない」設計のエクセルシートにしないといけない。でもまだそこまではできていない。だから、あえて入力するみんなに注意喚起をしたんだよ。

 

この時に私が言った「神は細部に宿る」という言葉は知っているかな?

 

もともとはドイツの建築家の言葉で

ディティールにこだわるからこそ質が上がり、素晴らしい作品になるので、建築家は細かいところこそ、重要であり気を配らなければいけない

というような意味合いだ。

 

私も基本的には大雑把な人間だから、正直細かい部分まで気にしていないという面はある。これは自分のことを棚に上げて喋っていることは重々承知。だからこそ、私たちの組織は改めて、この言葉を意識して考えないといけないと思っている。

 

ざっくりOKよね、という話で終わらせても正直良いと思う。でもね、1時間もみんなの時間を使ってあえてやってもらったのは、そういう「細かいところをきちんとやる」という意識をつけてほしいから。

 

仕事に慣れてきたり、営業に慣れてきたり、お客さんに提案しまくっていたりすると、どうしても「雑」になりがちで、聞いているほうは「雑に扱われている」と思いがちになる。これは言っている側からは気づかないよ、この「慣れ」というのは怖いもので、人間は楽なほうへ、楽なほうへ流れる性質があるから、どんどん「雑」になる。

 

だからこそ、「細かいところをあえて意識する」という意味も込めて言ったんだ。

 

例えば、こんなことが弊社のある営業マンの例であった。

 

彼はいつもとっても営業資料が細かいことで有名で、そんな時間があるなら1件でも多くお客さんのところに回ってこい!って言われていた営業マンだった。

 

でもね、彼は別に営業資料をこねくりまわしていただけじゃなくて、本当に自分が担当するエリアの広告効果を全て数値化して、そしてうちの商品にお客さんの広告を掲載した場合にどれくらいの効果があるか、それをグラフで見せられるように作り変えたんだよ。つまり、広告効果があるであろうエリアや商品特性だったら、赤く色付けて、そうじゃない部分は白色になるってやつ。みんなが今、サーモって言っているやつだね。あれは一人の営業マンが自力で作ったやつなんだ。彼のこだわりなんだよ。

 

これはかなり画期的で、今まで言葉で広告効果を言っていた我々営業のやり方を彼のこだわりが実を結んだおかげで、視覚化されて一気に受注率が上がったんだ。そして、彼はトップセールスを何度も取ったんだよ、まさに単純な広告効果を伝えるというだけの話にこだわってこだわってエクセルでコネコネ作って実績を作ったんだ。

 

ちなみにその彼は今は営業企画のトップの彼だよ。彼は元々営業マンだったんだ。すごくない?出世したのがすごいのではなく、そのこだわりが彼を出世させたんだよ。

 

私も営業マンだった時に衝撃を受けたよ、非常にわかりやすいし、サーモを使えば、どこが狙い目かがわかる。狙い目のエリアや商品特性を入れれば問い合わせが入りやすい、つまり広告効果が得やすいからね。あとは穴埋め的に営業していけばいいだけだったから、まさに営業の神様が降ってきたような感覚だったよ。

 

だからいきなり営業の神様が降ってくるってことはなくて、誰も気づかなかった「広告効果を視覚的に見えるようにする」ってことにこだわった箇所に神様がいたんだ。そして、そこにこだわり続けたからこそ、神様が微笑んでくれて、彼はトップセールスになり出世したと言っても過言じゃない。

 

 

だから、小林くん。「慣れ」に縛られずに、もっと細かい部分で改善できることはないか?何かできることはないか?そのこだわりがもしかしたら小林くんならではの神様を発見できるかもしれないよ。それは神様じゃなくて天使かもしれないけど、その神様なり天使なりを見つけることができれば、これは喜び以外の何物でもないからね。

 

私?

私にとっての天使は、小林くんも知っているあるフランチャイズ本部を落とした時だね。みんなが絶対ダメだ、無理だと言っていたのを2年かけて全てのフランチャイズ店舗に電話と訪問を繰り返して1社ずつ味方につけて、本部と掛け合ったんだ。全国行ったからね。誰も全国に行くとは思ってなかったみたい。社内からも「そんな交通費と出張費使って受注できるかよ!」って言われていたからね。でも私はやった。愚直に2年もの間、暇があればそのフランチャイズの店舗の各店舗を回ってコツコツとやってきた。そしたら本部側が折れてくれたんだ。まさにドブ板営業、と言っていいと思う。でもね、その頑張りが本部を動かして、そして大きな受注につながったんだ。

 

私の場合は営業資料やエクセルといったものじゃなくて、現場を歩き回って神様を引っ張りだした、って感じだけどねw

 

だから、小林くんにとっての神様はどこかにいるよ。それはわかりやすい場所に出てこない、ロールプレイングゲームみたいなもので、ある一定のレベルにならないと出てこないかもしれないし、もしかしたらレベル100くらいにしないと出てこないかもしれない。でも必ずいると思うよ。小林くんならではの神様が。

 

だから常に前進するのみだ。自分なりの神様を見つけよう。

 

今日もお疲れ様。