小林くんへ その1 〜挨拶は意外と大事という話〜
小林くん。
普段あまり言わないけど、やっぱり挨拶って大事だ。別に私に「おはよう」とか「お疲れ様です」とか言わなくてもいいから、他の人には言ってあげて欲しい。なぜかって、私はもう小林くんの事は少しだけ理解しているつもりだし、君が私に挨拶なしに通り過ぎても良い気も悪い気もしない。まぁ、朝だけは「おはよう」でもいいから、声をかけてくれた方が、お互いが「いる」という生存確認ができるので、朝くらいは私に声をかけてくれても良いと思う。私はそれくらいだ。
でも、小林くんのことをあまり知らない人からすると、やっぱり挨拶は必要だと思う。君も相手の事を知らないから、正直どうでもいいという気持ちはわかる。朝からやたらハイテンションで「おはようございます!!!」って、耳元で言われると正直私もウザい。どっかに消えてくれ、と思うときがある。
ただ、私も知らない新人から挨拶をされると、やっぱり私も「おはよう」って答える。これはわかるよね?一応、同じ会社の人だし、違う部署かもしれないけど、「おはようございます」ってサラッと言われたら、さすがに私の立場的にも「おはよう」と返事をする。そして、それが2回、3回と続くと、不思議なもので「何となく挨拶だけはするけど知っている人」ってお互いがなる。
割とこれが重要で、この前、こんなことがあったんだ。
いつも挨拶をしてくれる営業事務の女性だったんだけど、私は彼女の名前を知らなくて、いつも朝に挨拶をしてくれる人だなと思っていたんだ。別にその時点で、「素敵だ」とか「爽やかな人だ」とかは正直思わない。こっちも疲れているし、色々機械的に挨拶しているところもあるからね。
でもね、この前違う部署に用事があって、そこの責任者と話をしていたら、請求書とか受領書でちょっと喧嘩になったんだ。本当にどっちの部署でそれらの書類を作るか、というそういう話。まぁよくあるんだよ、会社って。縦割り組織だし。私としては、仕事の性質上、私の部署ではなくて、彼の部署で作ってもらわないとお客さんに対して言い訳が立たないって話なのと彼は彼で、営業するのは私の部署なんだから、私の方で書類を作れってなったわけ。
で、そうやってちょっと言い合っていたら、偶然いつも朝挨拶をしてくれる女性がこっちにきて、
「私が書類を作って、対応しますから大丈夫ですよ。」
って言ったの、その私が言い合いになっていた彼に向かって。
思わず、私は
「あ、お疲れ様です。」
なんて言ったけど、その女性は言い合いになっていた部署の営業アシスタントで、その部署の書類作成をやっている女性だったのね。でも彼女の上司でもある彼からしたら、正直受けたくないわけ、いくら私の方が常識的に正しいとしても。
で、その時に彼が言ったのよ。
「なんで大丈夫とか言うの、大変だよ。やらせりゃいいじゃん、こいつ(私の事)のところにさー。」
って言ったら、
「いえ、これは私たちの部署の仕事を営業してもらうわけですから、こちらが作る必要があります。特に面倒というわけではないですし、十分アシスタントのほうでカバーできますから」
って言ってくれたわけ。
で、話は戻るんだけど、この話でなんで彼女がフォローしてくれたか、って話なんだけど後でこの彼女に聞いたら
「いつもそちらの部署(私の部署の事)の方達は挨拶もきっちりされているし、仕事もしっかりしているんだろうなと思っていましたから。それに明らかにこの仕事は私たちがやらないといけないものですし。」
って言ってくれたわけ。
挨拶してたら、仕事やってくれた、ってそんな単純な話じゃないんだろうけど、少なくとも毎日「おはよう」とか「お疲れ様です」とか、確かに私だけじゃなくて、私の部署の人間は挨拶だけはする人だと思う。別に私が強要したわけではないけどね。
多分、営業だし勝手に挨拶するんだろうね。それは私も同じ。勝手に挨拶はしているかもしれない。ほら、機械的に挨拶しているって言ったじゃない?
いいんだよ、機械的でも偽善的でもなんでも。挨拶ってすごいちょっとしたことかもしれないけど、コミュニケーションなんだよね。コミュニケーションが大事とかコミュニケーション能力とか言うじゃない?そんな偉そうなもんじゃなくて、普通に挨拶でいいんだよ。「おはよう」でいいし、「お疲れ様でーす」でもいいし、「大丈夫ですか?」の一言で良いんだよ。恥ずかしければお辞儀だけでも良いと思う。
そうすると相手も同じように「挨拶」で返してくる。逆にこれが返ってこない人、たまにいるよね、挨拶してもムスッとしてるような人とかアゴで「おぅ」みたいな偉そうな態度を取ってくる人。ああいうのは本当に無視したら良い。付き合う必要はないと思うよ。そういう人って正直、楽しくないよね?私も小林くんにそう思われているかもしれないけど、そうなっていたら言って欲しい。
「偉そうでムカつきます」
ってね。それくらいは受け入れる自信はあるよ。もしかしたら今まで小林くんは、挨拶をしても「挨拶を返してくれない人」に囲まれていたかもしれない。だから挨拶が苦手なのかもしれない。そうやってマウントを取ってきた人がいるのも確かだと思うけど、少なくともこの会社にはそういうタイプの人はいないと思うし、もしいたら教えて。言ってやるから。挨拶すらできない人が上司とか偉い役になっているのであれば、社長に直接言ってあげるよ。
だから挨拶はしたほうがいいよ。特に知らない人とかあまりよくわからない人に対しては特にね。それで人を見極めればいいと思う。挨拶をきちんと返してくれる人はやっぱりきちんとしてるよ。返してこない人は、残念だなぁって思っていればいい。
それだけで、少しは日々の見え方が変わるかもよ。
ではまた今度。
この文章に気がついて変わってくれれば嬉しいです。